研究課題/領域番号 |
05610112
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古川 久敬 九州大学, 教育学部, 助教授 (30190143)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 集団の問題解決 / 集団の創造性 / 集団による情報貯蔵 / 情報の活用 / 情報の共有化 / 問題のフレイミング / 問題の意味づけ / 集団による情報処理 / 意思決定 / 問題解決 / 集団 / 情報共有 / フレイミング |
研究概要 |
9.研究成果の概要 (最終年度のまとめ) 平成5年度は、本研究テーマに関すると思われる先行研究のレビューと実験室実験を行った。実験室実験によって、集団に異なるフレイミング(問題についての意味づけ;認知的枠取り)を与えたとき、(1)集団がその後に必要とみなして着目する情報に、(2)それらの情報を活用して創り出す解決策の内容や質に、そして(3)集団成員の体験(課題の難しさ、ディスカッションの雰囲気、解決策の満足感)に顕著な差異が認められた。 平成6年度の研究では、集団レベルの「問題解決」や「意思決定」を、集団による情報処理過程としてとらえた。問題解決や意思決定については、これまでにも多くのことが議論されてきている。しかしそれらのほとんどが個人レベルのものに限られていた。本研究では集団レベルの問題解決や意思決定過程の持つ特質について、これと関連する研究知見は未だ多くないものの、それらを適宜引用しながら考察した。また集団による意思決定や問題解決を、集団による一連の情報処理過程の中に位置づけることによってより多くのことが明確になった。 一連の情報処理過程を「問題の知覚」と「問題のフレイミング」からなる第1ステップ(問題の認識)、「情報の探索と獲得」と「情報の貯蔵」からなる第2ステップ(解決選択肢の創出)、そして「情報の想起」と「情報の操作と活用」からなる第3ステップ(解決策の決定)に分けて記述した。これらに、「実行」のステップが続く。そうすると、従来の問題解決や意思決定についての議論は、ほとんど第3ステップあたりを、すなわち集団による情報処理過程のほとんど最終段階に、光をあてていたに過ぎないことが明らかになった。
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