研究課題/領域番号 |
05610177
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | (社)部落問題研究所 |
研究代表者 |
山本 敏貢 社団法人部落問題研究所, 研究員 (00113449)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 部落問題 / 地方治自治 / 同和行政 / 地域福祉 / 地方自治 |
研究概要 |
本研究では戦後同和対策事業の実施方法と、その効果を今日取り組まれている老人保健福祉計画等の地域福祉計画づくりの動きとあわせ調査・分析した。実態調査については和歌山県吉備町と和歌山県橋本市で実施し、資料調査については京都市・大阪市・神戸市・滋賀県・和歌山県・北海道(ウタリ福祉対策と一般福祉対策)を中心におこなった。これらの調査から、同和対策事業等の特別対策は、地域住民の所得保障・労働の確保と結びついた時、大きな効果を生みだしていること。現在取り組まれている高齢者・障害者のためのまちづくり計画・地域福祉計画も、それらの人々の所得保障(年金や就労保障)等の対策が、多くの計画の中で欠如しておることが明らかとなった。 生産と生活の社会化によってナショナル・ミニマム(国家的最低必要行政水準)とシビル・ミニマム(地域的最低必要行政水準)確立の要請が、改めて強まっている。わが国では、封建的身分制度に起因する地域的差別として部落問題・部落差別の問題が大きな社会問題の一つとなっていたが、戦後の部落解放運動や同和行政・同和教育の取組みにより、差別の実態は大きく変化し、今日では解決可能な社会問題として確認されるに至っている。これは1969年の同和対策事業特別措置法制定にともない、全国各地の地方自治体が地域社会より疎外され隔離・隔絶されていた集落-未解放部落-に対して、国家と地方自治体の責務に基づいて最低必要行政水準を決め-同和対策事業長期計画-を策定し、環境改善事業や生活改善の諸事業を推進した結果であることは明らかであり、この教訓は他の社会問題対策、とりわけ地域問題・生活問題対策に活かされるべきである。同和対策事業の教訓からも、市民間での交流と合意の形成、行政と市民の間での意志疎通と市民意志にもとづく政策遂行というプロセスを保障することこそが、国家や地方自治体の新しい公共性の理念を確立することになると考える。同和対策事業の誤った行政手法により多くの混乱を生み出している地方自治体もあるが、部落差別のような地域的差別を総合的な地域計画を策定しその実施によって解消しつつある地方自治体も少なくない。
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