研究課題/領域番号 |
05610210
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江渕 一公 九州大学, 教育学部, 教授 (60036845)
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研究分担者 |
吉谷 武志 九州大学, 教育学部, 助教授 (60182747)
稲葉 継雄 九州大学, 教育学部, 助教授 (00134180)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 教育人類学 / 異文化間教育学 / 学問の制度化 / 文化人類学 / 学際的研究 / 比較教育学 / 応用科学 |
研究概要 |
本研究は、アメリカにおける教育人類学の成立過程を明らかにしようとするもので、斯学の発展を導きあるいは支えてきた要因を、とくにアメリカ教育人類学会の設立の背景と発展経緯の分析を中心に、アメリカ人類学会、応用人類学会、教育人類学会の機関誌、学会通信、人類学部ガイド、大会アブストラクト集等に基づいて解明し、他方、文献目録の作成に基づく主要学説の整理によって、斯学の概念構造と学問的特質を明らかにする作業を進めた。その結果明らかになった主要な点として、次の3点が指摘される。 【.encircled1.】アメリカ教育人類学は、その親学たる文化人類学を基盤としつつも、比較教育学や教育社会学、言語学(二言語教育論を含む)、多文化教育(異文化間教育)学、認知心理学等との密接な関連をもって成立している、きわめて学際的・応用科学的性格の強い学問であること。 【.encircled2.】そうしたアメリカ教育人類学の学際的・応用的性格は、この学問の発展を刺激した要因として、移民の国であるアメリカが国内に文化的・民族的異質性の諸要素を抱えているという環境的条件があり、そうした要因に規定されて生じる教育上の諸問題(教室における文化的葛藤など)への対応過程から形成されたと見られること。 【.encircled3.】また、そうした性格は、実はその親学である人類学(とくに文化人類学)そのものの特質を多分に反映していること。すなわち、アメリカ人類学は、他の諸国の人類学に比べると、多様な専門領域を包摂する“総合的人類学的性格"が強く、同時にきわめて強い“応用科学的性格"を内在させていることが影響していることが明らかとなった。 こうした教育人類学の性格は、わが国の比較教育学や異文化間教育学などに対して、多くの方法論的示唆を含んでいると見られる。
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