研究課題/領域番号 |
05610243
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
上林 靖子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 部長 (50132874)
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研究分担者 |
和田 香誉 埼玉県立衛生短期大学保育学科, 講師 (40201256)
藤井 和子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 室長 (00181305)
中田 洋二郎 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 室長 (20106214)
北 道子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 室長 (60214780)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ADHD / COMORBIDITY / AETIOLOGY / RATING SCALE |
研究概要 |
1.本研究開始にあたり、注意欠陥多動障害に随伴する問題行動について文献的考察を行った。この障害が行為障害を伴っていることが少なくないことは従来から指摘されてきたところであるが、これは臨床例のみならず、一般児童を対象とした調査でも明らかであり、発達的な研究より前者は行為障害への過程の一つであると報告されている。情緒の障害との合併については近年注目され始めたところで、合併例がより重症である、あるいは発症が遅く薬物治療に抵抗することなどが指摘されているが検討課題が多く残されている。これらについても縦断的な研究が今後必要であろう。 2.1991年1月から12月までに国立精神・神経センター国府台病院児童精神科の初診児563名中主診断が、DSMIIIRによる注意欠陥多動障害(以下ADHD)に該当したものは、28名(4.97%)であった。これらの症例についてカルテによる併存症候の検討を行ったが、記載が担当医によりばらつきがみられるため、1993.10‐11に再受診した15名を対象に併存診断を面接によりDSMIIIRの診断基準に基づきチェックした。対象児の年令は7から14才、男児14名、女児1名であった。その結果、反抗挑戦性障害9名、分離不安障害4名、過剰不安障害3名、行為障害2名、3名は境界線知能を示すものであった。小児期・青年期の回避性障害、強迫性障害がそれぞれ1名、全く併存障害のなかったものは1名のみであった。 3.注意欠陥多動障害の臨床例は、きわめて多様な情緒と行動の障害をあわせてもち、それぞれの共通要因と独立した要因を分析するためには、広範な障害を抽出できる評価尺度を用意することが必要であることが確認された。現在児童の情緒と行動の障害を評価する尺度は数多く開発され、Achenbachが開発したCBCLは欧米で臨床・研究に広く用いられている。今後この尺度のわが国での標準化を行い、これを用いてADHDと併存障害の関係をさらに明らかにする予定である。
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