研究課題/領域番号 |
05610273
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉村 豊雄 熊本大学, 文学部, 助教授 (90182823)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 地方知行制 / 知行 / 給人 / 給人財政 / 主従制 / 合高 / 物成 / 大名 / 石〓 |
研究概要 |
私は、日本近世の地方知行制の歴史的本質は「物成詰知行」にあり、諸藩の地方知行制も時則的・地域的・階層的にそれぞれ多様な展開の様相をとりながら趨勢な物成詰知行を志向するものと考える。 その際に次の二点に注目したい。第1に、「物成詰」知行という大名と家臣との知行関係が「物成」を軸にとり結ばれている事実である。つまり知行制編成の重心が「高」(知行高)から「物成」に移り、「高」と「物成」とを一定の照応関係に置こうとするところに物成詰知行が生まれる。いわば「高」の形成化、擬制化というものに帰結していくものと思える。第2に、知行制における「高」と「物成」の関係=予分を問題化させるのが知行割替であり、この家臣知行他の割替えこそが地方知行制の意味・内容を変えていく原動力をなしている。すなわち、漢利初期、国替や家臣団構成の変動などによって頻繁に知行割替がくり返されるが、知行他の割替はとくに家臣の例に先知と替知の知行内容の差異を意識させ、これを集約する「物成」への関心を呼ぶ。大名権力としても家臣との関係を安定化し、知行割替をスムーズに展開するには家臣側の合意をとりつけておく必要があった。先知と替知の知行内容に配慮した対応が求められ、ここに「物成」に重点を置いた知行割替、さらには「高」と「物成」とを照応させた知行形態をとるようになる。
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