研究課題/領域番号 |
05610413
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
その他外国語・外国文学
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研究機関 | 神戸国際大学 |
研究代表者 |
松村 淳子 神戸国際大学, 経済学部, 助教授 (10239080)
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研究分担者 |
松村 恒 親和女子大学, 文学部, 助教授
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ラサヴァーヒニー / パーリ / 仏教 / スリランカ / 説話 / 韻律 / 本文批判 / 蔵外文献 |
研究概要 |
『ラサヴァーヒニー』第V章・第VI章の批判的校訂本の継続を意図して第VII章の本文校訂の作業を進めると共に、『ラサヴァーヒニー』の成立・流伝といった文献史上の位置を確定する考察を企てた。校訂作業の方針は松村1992に示されたものを基本的に踏襲しつつ、その妥当性の検証と補正の必要性が無いかに配慮しつつ進めていった。おおよそはSaddharm〓la〓k〓rayaにつながるシンハラ伝承の本文を確立することを意図しているので、入手できた1896年出版のシンハラ文字刊本を底本として転写を開始し、それに他写本の異読を記してゆく手続きをとった。作業の途中で問題となったのは、今回British Libraryより取り寄せたマイクロフイルムが撮影の技術的不備のために判読不能であったことである。従つて、同図書室所蔵写本の部分については校合作業は空白のままに留まった。同章は分量的に大きいので、一年間では完了できないが、当初のプラン程度には進み得たので更に翌年度も継続する予定である。また本テクストには散文と韻文が交互に現れるが、韻文部の韻律分析は本文批判と表裏一体の関係にあり、重要である。今回の研究ではビルマの伝承は概して古い伝承を伝えているものの、こと韻律に関する限り、書写生が古典韻律の知識を具えていたために、しばしば古典の規則に合致させるためのinnovationを呈示した形跡が明らかになり、一つの研究成果であった。ここでの仮説は更に本テクスト全般にわたって検証され、確定さるべきものであり、今後の研究への一つの方向性を示すものと言えよう。また、松村1993により『ラサヴァーヒニー』と同種のテクストとの関係を考察した結果、前者の複合的性格の一端も明らかになった。
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