研究概要 |
1.平成5年度の研究は研究代表者の海外出張(科学研究費国際共同研究による)のため、実質的なスタートが10月になった。また必要な備品の購入も、毎年秋の新製品の発表に伴い、少しでも低価格で優秀な製品を購入するために、11月まで待ったため、多少の遅れを来した。以上の制約の元に、本報告書執筆時点(平成6年2月末)において、以下のことが達成された。 2.中期イラン語資料の中で、量的には中期ペルシア語に次ぐコータン・サカ語の資料の電子テクストの作成。既出版のすべてのテクストをすべての機種で共通なフォーマットで準備し、さらにこれに秋の海外調査で実地に読むことが出来た在ロシアの未出版のテクストを加えることが出来た。総量は現在のところ、1,951,091bytesである。このテクストの校訂が進行中である。 3.同じくコータン・サカ語に次ぐ分量のソグド語の資料。この言語の資料は3種類の異なった文字で書かれているため、統一した形にまとめることは困難だが、そのうち量的には最も多い「ソグド文字」による資料の大部分が電子テクスト化された。現時点で総量は387,972bytesである。 4.このような基礎資料に加えて、これを有効に利用するためのtoolsの開発も行われた。すなわち、資料が電子化されて初めて可能になった高速検索・検索結果の表示である。 5.現在まで数件、海外の同業者からこの電子化された資料を送るよう依頼されて、その依頼に答えている。
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