研究課題/領域番号 |
05610417
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
庄垣内 正弘 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (60025088)
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研究分担者 |
藤代 節 学術情報センター, 助手 (30249940)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | チュルク / 突厥文字 / ウイグル文字 / 表記体系 / 文法記述 / 放言分析 |
研究概要 |
チュルク突厥文字文献を扱った書籍本体、あるいはその複写を国内外に求め、可能な限りを収集した。同時に突厥文字テクストをコンピューターに入力し、90%程度を完了した。残りのテクストは分析中である。現在の段階で突厥文字文献の出土場所・時代・材料毎の分類はほぼ完了した。また、文字組織の再検討と文法記述に関しては、紙に書かれた突厥文字テクストを、ウイグル文字言語と比較することによって、かなりの成果を得ることができた。突厥文字文献は、V.Thomsen以来、碑文のデータを基にして文字と文法の解釈が行われてきた。しかし、紙に書かれた突厥文字文献は、ウイグル文字文献と時代的には平行しており、歴史学的にも同一環境内で使用されていたものである。したがって、両者の言語に大きな差があったとは考えられない。そこで、ウイグル文字文献の音韻組織をこれら突厥文字言語に当てはめてみると実際には無理なく適応できることがわかった。母音文字表記に欠陥のある表記体系とされてきた突厥文字ではあるが、すくなくとも紙に書かれたものに関しては、その「欠陥」が有意味なものであることがわかった(たとえば、母音表記の欠落が特定の環境のもとでおこる減少母音を表記したものであることなど)。このような表記体系の分析は基本的には碑文言語にも通用することがわかった。そして、紙に書かれた突厥文字文献言語の文字と文法分析の結果をもちいて、碑文言語を検討すれば、さらに碑文言語の方言分析の可能なことも理解できた。これらは大量の突厥文字言語をコンピューターを用いて同時に分析処理することによって明らかにされたものである。三年計画のものを一年に縮小したので全体をまとめて記述するまでには至らなかったが、紙を使用した突厥文字文献の代表と言える「古書」(irqBitig)の文字と文法に関する記述はほぼ完了した。近く公表する予定である。研究分担者との役割分担もスムーズに行われた。
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