研究課題/領域番号 |
05610418
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
須藤 路子 順天堂大学, 体育学部, 助教授 (60226587)
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研究分担者 |
鈴木 博 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (20009012)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 第二言語習得 / 生成パターン / イントネーションの習得 / 知覚特性 / 自然性判断 / 言語習得 / イントネーション / 母音持続時間 / リズムパターン |
研究概要 |
日本語と英語の各言語において、異なるイントネーション型をもつ文を用意し、母国語、第二言語の両言語について、日本人と米国人が発話し、録音した。パーソナルコンピューター高速音声信号システムを用いたイントネーション練習装置を使用し、イントネーションの習得にどのような教授法が効果的であるかを調べるため、4回の録音セッションがもたれた。母語話者の音声に加え、そのイントネーションカーブに被験者のイントネーションカーブを重ね書きし、正規化したものを比較しながら練習した場合、音声だけによる練習よりも練習効果が著しく上がった。イントネーション型の種類による習得の難易度も明らかにされた。 次にcontrastive stress、強調の実現がどの様に二言語でなされているかを観測することを目的として生成実験が実施された。母語話者と第二言語習得者のイントネーションパターンとリズムパターンの比較がなされた.FO制御、母音持続時間制御などにおいて各言語の母語話者と第二言語習得者に著しい相違が観測された。又、第二言語においては、対象となる語の文中での位置が強調を実現する際の困難度に大きく影響していることが示された。 さらに、日本語と英語においてストレスを担う母音の持続時間が文のプロソディの自然性にどのように影響するか、分析再合成の手法を用いて観測した。母音持続時間の短縮に対しては、英語においても日本語においても米国人の方が日本人より自然性判断の許容範囲は狭いことが示された。英語の母音持続時間の伸長においては、日本人の方が、許容範囲は狭かった。有声子音が後続する日本語の母音においては、同じように日本人の方が米国人よりも自然性判断基準はきびしかった。しかしながら、無声子音叉は、弾音が後続する日本語の母音では逆の傾向が観測された。自然性判断に "phonemic vowel length distinction"や "voice-conditioned effect"などの要素が影響を与えていることが示された。 上記の実験により、日本語と英語におけるイントネーションパターンの生成と知覚特性が観測され、第一言語と第二言語習得との比較がなされ、さらに日本語らしく、英語らしく聞こえるとはどういうことなのかに関する貴重な実験結果が得られた。
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