研究課題/領域番号 |
05620024
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中島 弘雅 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (90131995)
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研究分担者 |
出口 正義 筑波大学, 社会科学系, 教授 (00109737)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 再建型倒産処理手続 / 和議手続 / 整理委員 / 和議管財人 / 整理委員と管財人の役割分担 / 整理委員・管財人二元論 / 整理委員・管財人一元論 / イギリスの和議手続 |
研究概要 |
今年度の研究では、各種の再建型企業倒産処理手続のうちその利用がもっとも多い和議手続について、整理委員と和議管財人との役割ないし機能分担の問題を考察するための準備として、全国各地で和議手続に整理委員、和議管財人として関与した弁護士や公認会計士、さらには和議手続に裁判官として関与した裁判官への聞き取り調査を実施するとともに、日本の和議手続によく似た制度を近時導入したイギリスの和議手続について研究を進めた。 このうち、前者に関しては、日本法の法解釈論・運用論として、手続機関として整理委員の他に和議管財人を置く必要があるのか、整理委員には弁護士と公認会計士のどちらが向いているか、という実務上重要な問題について、現場の意見を聴取したいと思い、全国各地に出掛け、和議手続にさまざまな形で関与した人に積極的にインタビューを試みた。その結果、全国的には、弁護士を整理委員、和議管財人に選任するという扱いが一般的であるために、両者の間の役割分担や、両機関の一元化の問題が生じているが、札幌および広島地区では、整理委員=公認会計士、和議管財人=弁護士という役割分担がなされているために、上記のような問題は生じていないことが明らかとなった。これは、かねてより整理委員・管財人一元論に与してきた研究代表者(中島)にとっては、改説を迫られる大きな収穫であり、今後は、和議機関に関しては二元論を様々な角度から主張していきたいと思う。 また、比較法の観点から、イギリス法を取り上げたのは、イギリスでは、1986年に、日本の和議手続に極めてよく似た制度を導入したからであり、イギリスの新和議手続は、日本の和議手続の立法論の展開にあたって極めて有益な示唆を与えてくれた。この点については、近く発表予定の論文「イギリスの和議手続」のなかで詳細に検討を行なう予定である。
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