本年度の研究においてはバブル経済崩壊後の自動車市場の後退とリストラの進展の中で自動車の販売流動システムに起りつつある変革に焦点をあて、日本のディーラー経営の変家〓と自動車メーカーにおける販売経路政策の変化、についての調査研究を行った。ディーラー経営においては販売減少に伴なう新車販売利益の減退に対応するための不変部門やサービス部門収益の重視、中古車市場の見直しなどが顕著に見られること、店頭販売のいっそうの重視と女性セールスの活用、営業拠点の総合再配置などの新しい傾向が見られることを調査検討した。 さらに日本だけでなくリストラを経験したアメリカでも自動車販売業界の変化は著しく、リベートインセンティヴ競争からの脱却ワンプライズポリシーによる価格の安定化、流通在庫の圧縮が進み、GMのサターン車販売のようにシングルポイント大テリトリー〓と通信システムを使ったフルタイムサービスなどの新傾向がみられること、またリースプログラムの拡大やフリートセールスの見直しなど顕著な変化がみられること、今後に予想される自動車流通の国際化にこのような新しいトレンドがもつ意義を考察した。
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