研究概要 |
数論的ゼータ関数(アルチン型,ヘッケ・ラングランズ型,ハッセ・ヴェイユ型)とセルバーグ型ゼータ関数の研究を行い,比較研究をした。 まず,数論的ゼータ関数の研究では,その特殊値が多重サイン関数の対数を用いて書けることが解明されたことが大きい。これは1772年にオイラーがξ(3)の場合に提起していたことの発展にもなっているし,前世紀のディリクレの結果,今世紀の新谷卓郎の結果を結ぶクロネッカーの青春の夢の線上の結果である。 セルバーグ型ゼータ関数の研究では,その完備ゼータ関数に現れる4つの型の局所因子が決定され,大局的な行列式表示も得られた。ここで用いられた手法はゼータ関数の多重化・絶対テンソル積という新しい方法であり,これからの発展も期待される。とくに簡単な場合として,多重三角関数が得られるが,その満たす微分方程式がセルバーグ型ゼータ関数の局所因子の計算に本質的であった。
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