研究分担者 |
田坂 隆士 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (60012407)
加藤 晃史 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10211848)
河野 俊丈 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80144111)
斎藤 秀司 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50153804)
堀川 穎二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40092324)
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研究概要 |
今年度は,楕円曲線の族の研究が中心になった。 kを標数p>0の代数的閉体,Eをk上の超特異楕円曲線,1P^1をk上の射影直線とする。δをE上の零でない正則ベクトル場で加法的なもの,△を1P^1上の零でない正則ベクトル場で加法的なものとする。このとき,D=δ+△は,自然にS=E×1P^1上の有理ベクトル場になるが,これを用いて商空間を考えることによってf:(E×1P^1)^△→(1P^1)^△なる楕円曲面をうる。このとき,特異ファイバーは楕円曲線のP重の重複ファイバーだけになることが示される。この重複ファイバーはwild fibreという正標数に特有のものになる。この曲面に対し,標準東公式にあらわれるa数や重複ファイバーに対して得られる数値的不変量をDから具体的に計算することができた。また,楕円曲面f:s→1P^1が上記のような構成法によって構成されるための必要十分条件も得られた。即ち,特異ファイバーが楕円曲線のP重の重複ファイバーにかぎられ,各a数がP-1に等しくなく,さらにH^1(S,θ_s)へのFrobenius写像の作用が零射になるときにかぎり,この楕円曲面が上記のような構成法によって得られることがわかった。
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