研究分担者 |
藤本 圭男 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90192731)
中馬 悟朗 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30115414)
竹内 茂 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30021330)
川村 道彦 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30020085)
岩田 惠司 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80021327)
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研究概要 |
研究分担者は各々の専門分野の研究を進めた。ここでは研究代表者(畑田)の研究内容のみ記す。下記の研究内容に関して,研究分担者から助力は受けなかった。 1.任意次数g,任意レベルN,任意ウェイトk≧g+1のジーゲルカスプ形式の空間に作用する通常のヘッケ作用素T_k(p)(pはp+Nからなる任意素数)の任意の固有値をλpで表す。λpの絶対値の評価に関して以前畑田はTokyo J.Math.13,pp.191-205(1990)のProblem3.7(i)を提起した。その後畑田はこの問題を進展させ,得られた結果の要旨を“Resume of my work on eigenvalues of Hecke operators on Siegel cusp forms"という題名のタイプ原稿にまとめた(1992年)。これの証明付の本論文“Estimates for eigenvalues of Hecke operators on Siegel cusp forms"をpreprintとして1993年夏に作製した。畑田の得た結果は,DukeとHoweとLiの論文“Estimating Hecke eigenvalues of Siegel modular forms",Duke Math.J.67,pp.219-240(1992)で与えられた結果よりもずっとよい。この研究から,ジーゲルカスプ形式のゼータ函数の,これとは別の性質に関する予想を得た。この予想の証明は今研究中です。 2.畑田の論文“On the local zeta functions of the Hilbert modular schemes and action of the Hecke rings"のTheorem 8 をQ_lのみならず,一般のl進層係数のcohomology群の場合に拡張した。即,Hilbert modular varietyのcompact化の、一般のl進cohomology群上でのヘッケ環の作用の,任意の固有値の絶対値の評価を,よい精度で与えて証明した。これは新しい結果である。この結果は畑田のノート“Eigenvalues of the action of the Hecke rings on the cohomology of the Hilbert modular varieties"に書いた。3.他にもHilbert modular varietiesについて新しい結果を得たがここでは省略する。
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