研究概要 |
体の巡回拡大を記述するKummer理論やArtin‐Schreier理論,あるいは,Artin‐Schreier‐Witt理論は19世紀後半から20世紀前半にかけて定式化され,今日では代数学の,特にGalois理論の教科書の重要な項目になっている.さらに,Grohyendieckによる〓tale cohomologyの理論での具体的な計算の出発点にもなっている.このように重要なKummer理論とArtin‐Schreier‐Witt理論を統合する理論について,ここ数年にわたって関口力氏(中央大学)との共同研究が進展しているが,次数rho^nのKummer理論とArtin‐Schreier‐witt理論を統合するKummer‐Artin‐Schreier‐Witt理論が局所環Z〓[mu〓]の上で存在することは既に示してあった.また,rho次の理論は完全に具体的に記述され,その応用も含めて数年前に論文として発表した.以上の結果を踏まえ, (1)rho^2次の理論の具体的な記述を得た.これによって,Hasseや〓afarevi〓が完備な局所環に対して考察していたrho^2‐primary elementの理論が完備でない局所にも展開できるようになった. (2)rho次の理論をFurtw〓nglerの古典的な結果と関係を付け,さらに高次元類対論の枠組みの中でFurtw〓nglerの仕事を一般化することが出来た. (1)については論文としてまとめているところであり,(2)についてはJourn〓es Arithm〓tiques Bordeaux 1993の報告集に論説を投稿した.
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