研究分担者 |
長谷川 敬三 新潟大学, 教育学部, 助教授 (00208480)
高野 道夫 新潟大学, 教育学部, 助教授 (70126423)
鈴木 保高 新潟大学, 教育学部, 教授 (40007167)
吉岡 智晃 新潟大学, 教育学部, 教授 (80018217)
古谷 正 新潟大学, 教育学部, 教授 (90018648)
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研究概要 |
多様体の幾何学的性質は,その多様体の基本群の性質と密接に関係しています。多様体の基本群の構造を研究し,それが多様体の幾何的性質をどのように決定するかを研究することが目的でした。本年度は,主に3次元多様体,特に結び目とその補空間の幾何的性質を,代数的,解析的およびグラフ理論や数学基礎論等を用いて研究しました。まず結び目補空間の研究においては結び目が三次元球面内で張る非圧縮Seifert膜に注目しました。この膜により結び目補空間の基本群のHNN分解が得られます。垣水の論文においては,まず一般的にあたえられた群のHNN分解の仕方のちがいに関する考察をしました。HNN分解の共役類の集合の上に距離関数を定義し,そのさまざまな性質を研究しました。さらにつぎの論文においては,結び目群の場合に,その群のHNN分解と結び目の非圧縮Seifert膜の同値類の間の対応が距離をたもつものであることを示し,それにより結び目の性質を考察しました。解析的側面からの研究として,古谷がHilbert空間上の作用素に関して,P-hyponormal作用素の研究,およびSlice map Problemを研究し,鈴木が代数的側面からの研究として,ある種の方程式の整数解について考察をおこなった。さらに基礎論的側面からの研究として高野が様相論理における部分式特性をもつ体系について一般的な形での考察をおこなった。また吉岡がグラフ理論的側面から,長谷川が複素多様体論的側面からの研究をおこなった。
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