研究概要 |
リーマン空間内の部分多様体の研究に付いて研究結果を,各分野毎に以下の様に報告致します。 (1)「微分幾何学」の分野では,研究代表者と荻上紘一が複素射影空間内の実超曲面に付いて共同研究を行った。既に,「正則曲率が正で且つ,その最大値をある主曲率方向で取っていれば,既知のA1型実超曲面である」(I.T.U.で出版予定)と言う結果を得ていたが。さらに,「正則曲率が正で且つ,その最大値を何処かで取っているような実超曲面の分類」に付いて研究を行い,現在,その結果をまとめているところである。また,我々二人に加えて,原田実氏(東京学芸大学)の協力を得て,数学教育において問題となっている幾つかの事象について数学的解釈を与えた(信州大学と東京学芸大学の起要に掲載)。研究代表者はエルドガン氏(トルコ・フィアット大学)とアダマール空間内の凸超曲面の特徴付けの研究も行った(論文作成中)。 (2)「代数学」の研究では,岩永恭雄が佐藤英男氏,若松隆義氏とn-Gorenstein環の構造に付いて共同研究を行った。佐藤氏との研究では,極小移入分解における最終項の特異な性質を発見した。若松氏との研究では,n-Gorenstein環が3角行列環に遺伝する事を示した。 (3)「ゼータ関数」に関する研究では,松岡楽が,マクローリン級数の係数評価からこの級数の漸近展開を得ようとして,この係数を数列と考えて,それをハウスドルフ変換した数列と比較して,この2つの数列の間の興味ある関係式を得た。
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