研究概要 |
一言で言うと、〓は1または-1とし、〓-対称な双線型形式と2次形式から幾何学的に重要な情報を引き出し研究することが本研究の目的であった。Gを有限群としW:G→{±1}を準同型写像とする。群環Z〔G〕はg〓w(g)g^<-1>(g〓G)で生成されるanti-involutionを持つ。G(2)={g〓G|g^2=1,g≠1}の共役不変部分集合QとSを次の条件を満たすように取って固定し考察する。Q〓{g〓G(2)|g=-〓g^^-}、S〓{g〓G(2)|g=〓g^^-}。実は、これらは多様体上のGの作用から自然に定まる代数的情報である。この時、Grothendieck-Witt環GW(G)=GW_0(R,G,S)、特殊Grothendieck-Witt環SGW(G)=SGW_0(R,G,S)、そして手術障害類群W(G)=W_n(Z,G,Q,S)が定義される。これらの間の重要な性質は、W( )はSGW( )上の、SGW( )はGW( )上のGreen加群になるということである。この構造から手術障害類の消滅性が導き出せるのである。この性質を同変正規写像の連結和と関連させ、手術障害類を消すことに成功し、次の定理が証明できた。 定理。任意の有限Oliver群Gに対し、適当な次元の標準球面は、G-不動点を唯1点とする滑らかなG-作用を持つ。 この他にも、色々な非線型作用の構成において成果をあげることができた。 全国の大学の研究者と研究情報の交換を活発にできたことが、本研究を成し遂げられた第一の理由である。本研究に理解を示し、支えて下さった方々に心より謝意を表する。
|