研究概要 |
幾何学的トポロジーを総合的に追究するために,次の各部門から研究を進めた。 1.(深石)1点と同じシェイプをもつ1次元連続体であるpseudo-arcはある意味で自己相似性をもつと考えられるが,それをどのように定式化するか。また,pseudo-arcは継承的に分解不能かつ鎖で結べる連続体であるから,均質である。pseudo-arcは群構造をもたないが,何らかの代数的構造をもつだろろうか。 これらの問題をBing(1948)の構成法に立ちもどって考察した。 2.(岡)一般距離空間における調和ある次元論を展開できる最大の空間族は,σ-局所有限なE-netをもつ層型空間族である。この空間族が層型空間全体の族と一致するためには,層型空間族に対して分解定理が成り立つことが必要十分である。この事実を1993年11月の香川大学における研究集会「次元論と幾何学的トポロジー」で報告した。 3.標記の研究について,岡田順直,岡 晋平と共に定期的セミナーを行い,概連続関数に関するTaimanovの定理,連続関数の近似定理,有限位相空間におけるTo-分離公理と均質性などについて討議した。 また,5月に玉村章枝氏,11月に野倉嗣紀氏,12月に青木統夫氏を招いて,それぞれ「曲面上のベクトル場」,「力学系」,「位相空間の巾空間上の連続な選択関数」について談話会を開き,研究課題と周辺領域に関する理解を深めた。 4.(長谷川)概念の構成に関する操作と教具の役割について,3角形・4角形の概念の導入を題材として実践的研究を行い,7月の筑波大学における数学学習の心理学に関する国際会議で発表した。
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