1.序 当研究を行うにあたり、釧路・京都の研究グループと研究打合せを行った。その結果、研究方針および計算方法が明確になり、一つの結論を導びきだすことができた。なお、平衡点の計算に計算機の利用を考えてはいるが、こちらの成果はまだ上っていない。以上に研究経費を使用した。 2.研究概要…筆者とカナダの数学者Antonelliの共著の論文で、フイ ンスラー幾何学の生物学への応用の論文を書いた。そこでは2次元の場合、異なる種の間の社会的相互作用は、一定の比を保った方向の近くでは、種の成長はヤコビ安定であることが、ガウス曲率を計算して示された。 今回の研究は、上記の拡張として、2次のperturlation項を含む場合を考えた・2次元ecological metricで考える。その空間をフイ ンスラー空間とみなし、1-form.Finsler connectionをみつける。その捩率テンソルを用いて1-form metricをもつフイ ンスラー空間の測地線の方程式が求められる。その測地線の方程式の係数より、BerwaldのGauss曲率を、計算することができる。ガウス曲率の計算は、上記のような簡単な場合でさえ、大変な労力を必要とする。計算の結果、次の定理が得られた。定理2次元ecological metricで、2次のperturbation項をもつ場合には、無条件では、種の成長はヤコビ安定には、ならない。Perturbation項の係数が、両方とも負の時には、種の成長はヤコビ安定になる。
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