研究課題/領域番号 |
05640130
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
加藤 昌英 上智大学, 理工学部, 教授 (90062679)
|
研究分担者 |
横山 和夫 上智大学, 理工学部, 助手 (10053711)
西沢 清子 上智大学, 理工学部, 助手 (90053686)
並河 良典 上智大学, 理工学部, 講師 (80228080)
金行 壮二 上智大学, 理工学部, 教授 (40022553)
長野 正 上智大学, 理工学部, 教授 (10189144)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 極限集合 / クライン群 / twistor空間 / 射影接続 / 射影構造 / 双曲多様体 |
研究概要 |
今年度の第1の研究目標は、Ahlforsの極限集合の測度が零になるという定理の類似を得ることであった。Maskit型定理は、昨年度に得ていた自由積になる場合以外にHandle Attachmentの場合にも証明することは出来たが、結果を本質的には改良することが出来なかった。もう少し考察が必要であると思うが、Maskit型の定理は改良を重ねても記述が煩雑になるだけでえられる結果の美しさは損なわれて行くように思われる。Sullivanの構造安定性については手がつけられなかった。 第2の目標は3次元射影空間のClassLの領域の商空間に現れる『尖点』の構造の研究であった。『尖点』を埋める問題についてはいまだにその方法がわからない。しかし、flat twistor spaceになっているようなコンパクトな商空間としてのClassL多様体は貴重な非常に具体的な例がえられた(上智大学大学院修士課程 前田泰成)。すなわち、flat twistor spaceの基底空間となる実4次元compact非特異双曲多様体の具体例で被覆変換群、基本領域、商空間のすべてが目にみえる形で構成されている。これはM.Davisが1985年に発見していたものの再発見であったが、方法はまったく独自で構成方法が計算機内のデータとして記述されており今後上記のような問題に対しても非常に有効な研究手段が得られたと思う。 そのほか、積分可能な対数的射影構造を持つ複素多様体の構造に関する結果を得た。すなわち、(X,D)を複素多様体Xとその単純正規交差の被約因子Dの対数対とするとき、(X,D)が対数的射影接続を許し更にその曲率が零であれば、Dの各既約成分には射影構造が入る。さらにDのいくつかの成分の共通部分にも射影構造が入りそのX内の近傍は法バンドルの零セクションの近傍と正則同型である等。 今後は、(X,D)が対数的射影接続が入るための良い十分条件を求めること、宮岡型の特性類の間の不等式の存在などの問題などを考えたい。
|