研究課題/領域番号 |
05640172
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
尾畑 伸明 名古屋大学, 理学部, 講師 (10169360)
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研究分担者 |
松尾 厚 名古屋大学, 理学部, 助手 (20238968)
千代延 大造 名古屋大学, 理学部, 助手 (50197638)
小澤 哲也 名古屋大学, 理学部, 講師 (20169288)
舟木 直久 名古屋大学, 理学部, 教授 (60112174)
青本 和彦 名古屋大学, 理学部, 教授 (00011495)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ホワイトノイズ解析 / 量子確率論 / 量子的マルチンゲール / フォック空間 / 超関数 / 生成・消滅演算子 / ガウス空間 / 核型空間 |
研究概要 |
近年、ホワイトノイズ解析は無限次元空間(ガウス空間)上のシュヴァルツ型超関数論として枠組みの確立ととも、研究代表者はホワイトノイズ超関数に働く作用素の統一理論の確立と応用を研究してきた。従来、その研究はスカラー値の超関数を対象としてきたが、本年度の研究では、理論をベクトル値の場合に拡張することについて一定の成果を得た。すなわち、「標準的な」可算ヒルベルト空間という概念を導入し、その空間に値をとるホワイトノイズ(超)関数に対して、これまでの結果を拡張した。特に、ベクトル値ホワイトノイズ(超)関数に働く有界とは限らない作用素の生成・消滅演算子による一般展開定理を得た。この一般化は、量子確率論の主題の一つである開放系の問題や、ボゾン・フェルミオン空間上の解析(ディラク作用素等)などへの応用にむけて重要になると思われる。 量子確率論との関わりでは、量子的伊藤公式の超関数論的な再定式化・ある種のフィルトレイションに適合した確率過程の表現を、我々の作用素論の直接的な応用として研究した。さらに、マルチンゲール表現定理について研究中である。また、古典的な確率過程に対しても、その種の表現定理が作用素論から導けると思われるが、これについても現在研究中である。 関連する成果は、論文によって公表するが、それに先立ち京大数理研等の研究集会における発表・他大学のセミナーなどにおける討論も重要であった。特に、非平衡系の統計物理において、別の立場から、量子的確率過程が議論されているのを知り、相互の興味が増大している。今後は、この分野をはじめ、量子情報理論の研究者とも交流を図って研究を進める予定である。
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