研究概要 |
1.荒牧は,ヒルベルト空間上の,コンパクトなレゾルベントをも自己共役作用素の,固有値分布関数についての漸近公式について,適当な仮定のもとで剰余項も含めた形で結果を得た.また,この結果を一般次元空間上での擬微分作用素に応用し、特に、退化型のポテンシャルをもつシュレデインガー作用素の固有値問題に対し、作用素の複素べきから得られるゼータ関数の特異性を精密に調べ、また池原のタウバー型定理を拡張することにより、従来の固有値の漸近分布を拡張した。この方法は従来のWKB法とは趣を異なる主表象がまた,上に結果は負べきのポテンシャルをもつ作用素に対する剰余項付の漸近分布公式を得るための1手段となることをつかんだ。これについては現在,投稿準備中である. 2.高橋は,ナビエ‐ストークス方程式の解の構造を研究すべく,数回の研究集会、シンポジウム等に出席し,精力的に活動し、非定常二相ストークス流の大域的弱解についての結果を得た.また,これまでの研究業績により北海道大学から博士の学位(理学)を取得することになった. 新井はボルツマン方程式の衝撃波問題の解の構造を調べ、Mott‐smith 型の解に関する評価等の研究を行った.
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