研究課題/領域番号 |
05640231
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 義雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20111825)
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研究分担者 |
堤 正義 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063774)
郡 敏昭 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063730)
小島 清史 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063689)
垣田 高夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063362)
大谷 光春 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30119656)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 反応拡散方程式系 / 準線型放物型方程式 / 漸近安定 / 軌道安定 / 定常解 / 周期解 / 分岐 |
研究概要 |
非線形放物型方程式系と関連する楕円型方程式について研究を進めてきたなかで、今年度中に成果が得られた研究テーマは、[1]フイードバック効果をもつ反応拡散方程式系についての解集合の構造、[2]数理生態学にあらわれる準線系放物型方程式系について、の二つである。[1]の研究においては、数値実験の結果から、フイードバックのメカニズムは反応拡散方程式系の解にたいして振動現象をもたらすことが観測されている。ノイマン境界条件の下で拡散方程式系の解が、振動しながらも終局的には定常解に収束するのはどんな場合かを解析した。その結果、定常解が大域的に漸近安定となる条件、および、局所的に漸近安定となる条件をわかりやすい形で導くことができた。さらに適当な定数をパラメーターとみなして変化させるとき、定常解が不安定となる状況が起きる。このときには定常解から周期解が分岐することが証明され、分岐した周期解の軌道安定性を調べることができた。周期解が必ずしも軌道安定になるとは限らないこともわかり、将来さらに詳しい解析を進める必要がある。また、[1]の方程式系をディリクレ境界条件の下で解析すると、解の漸近挙動を調べる際にノイマンのときにはなかった難しさがあらわれる。定常問題の解集合の構造が単純ではない点である。対応する楕円型方程式系の正値解を見つけることが重要であり、不動点定理や写像度の理論を使って解の存在を示すことができた。ただし、解集合の情報は完全ではなく、今後も研究を続けなければならない。[2]は二種類の生物が競合している状況をモデルとしていて、二つの方程式の間で拡散効果が相互作用をしている。このような数学的難点を克服して、かなり自然な条件のもとで有界な大域界を校正することができた。今後は、この解の時間無限大での漸近挙動を調べる予定である。
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