研究課題/領域番号 |
05640238
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
尾和 重義 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50088506)
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研究分担者 |
中川 暢夫 近畿大学, 理工学部, 講師 (10088403)
青木 貴史 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80159285)
田沢 新成 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80025410)
泉 儕蔵 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80098657)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 正則関数 / 微分作用素 / 積分作用素 / 単葉関数族 / 多葉関数族 / ジャックの補題 |
研究概要 |
正則関数のもつ性質を主に微分作用素や積分作用素に関係した方向から研究して、正則関数についての新しい性質を発見、研究することが、この研究の目的であった。 1.単位円板内の正則関数の部分族として導入された坂口関数に対するZ.Wuの予想(1987年)について、負の係数をもつ坂口関数の場合についての考察を行って、坂口関数についての歪曲定理などを得ると共にZ.Wuの予想が成り立たないことを証明した。 2.正則関数に対する近傍族について、微分作用素の助けと共に、その近傍族のもつ性質を調べて、J.B.Walker(1990年)の近傍族に関する結果の一般化が得られ、さらに研究をすすめている。 3.正則関数の微分と深いかかわりを持つジャックの補題の新しい応用を発見することができて、これを単葉関数族に応用して、今までの結果をより一層改良することができた。これらに関連した研究は、単葉関数族の新しい方向からの研究に大きな影響を与えるものと思う。 4.単位円板内の多葉関数族に対する微分作用素や積分作用素についても数々の成果が得られた。多葉関数族に対してもジャックの補題が応用できて、多葉星型関数や多葉凸型関数についての今までの結果を大きく改良することができた。 上に延べた研究の成果は、それぞれ独自に得られたものではなく、正則関数に対する微分作用素や積分作用素を総合的に研究する中で得られたものであり、今後も正則関数に対するさまざまな方向からの研究によって大きな成果が期待できる。 最後に、最近、負の係数をもつ正則関数族についてのH.Silverman(1975年)の係数不等式に注目して、これらの係数不等式をより一般的に考察出来る可能性が得られたことも、大きな成果であると思う。
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