研究分担者 |
中木 達幸 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (50172284)
渋谷 哲夫 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (00162652)
松岡 和夫 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (50175600)
小島 史男 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (70234763)
西村 健 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (60164589)
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研究概要 |
本研究ではプラズマ物理、溶接工学、流体力学、生物生体学に現われる高温領域、溶融領域、流体の存在領域、生物の生息領域を決定する自由境界を数値的に求める数値計算法とその数学的証明の確立をはかった。これらの現象を記述するモデルとしては次の形をした1次元空間での非線形拡散方程式の初期値問題を扱いそれに対する差分法を考察した。 upsiron_t=(upsiron^m)_<xx>-cupsiron^p,x〓R^1,t>0,(1) upsiron(0,x)=upsiron^0(x),x〓R^1,(2) ただし,m(>1),p(>0)とc(【greater than or equal】0)は定数であり、-cupsiron^pは吸収効果を表し、初期関数upsiron^0(x)∈C^0(R^1)は非負で且つコンパクトサポートI=[alpha_1,alpha_2]を持つ。更に(1)-(2)の解としては非負のものを考察する。 c=0の時はsupp upsiron(t,・)は拡散効果によって単調に膨張し,xについて連結である。しかし,c>0の時は吸収項の影響によって界面の挙動が次のように制限される。 (i)c>0且つp=n【greater than or equal】m>1の時はsupp upsiron(t,・)はtの増加とともに単調に膨張し,xについて (ii)c>0,m>1,1>p>0且つm+p【.gto】2の時は解は有限時間内に消滅しsupp upsironはコンパクトであり,supp upsiron(t,・)は膨張したり収縮したりする。 (i)の場合ではサポートの分離現象は発生しない。しかし,(ii)の場合,解が有限時間内に消滅する事から初期関数upsiron^0(x)の形状次第ではサポートが2つの集合に分離される可能性が考えられる。実際の数値計算においても同様な結果が得られている。本研究ではm>1,c>0且つm+p=2の場合にこのようなサポートの分離現象を再現する差分法を確立し且つ分離現象が生じるための十分条件を差分法の性質を用いて次の定理の形として求めた。 定理alpha_1<beta_1<gamma_1<gamma_2<beta_2<alpha_2,u^0=(upsiron^0)^<m-1>としつぎの不等式を仮定する。 (1SU.I) するとu(t′,x′)=0且つu(t′,betaj)(j=1,2)>0となるt′>0とx′∈[gamma_1,gamma_2]が存在する。 尚、本定理については論文としてまとめて発表する予定である。また、研究成果を報告一覧にある成果は本定理を得るための基礎となった重要な内容である。更に現在、サーマルイメージャを用いた非破壊検査法へ向けて本結果の応用について考察を行ないつつある。
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