研究課題/領域番号 |
05640300
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
馬場 直志 北海道大学, 工学部, 助教授 (70143261)
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研究分担者 |
磯部 しゅう三 (磯部 〓三) 国立天文台, 助教授 (20012867)
三浦 則明 北海道大学, 工学部, 助手 (30209720)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 天体スペックル干渉法 / 位相シフト法 / 像再生 / 高解像イメージング |
研究概要 |
地上からの天体観測では、大気の影響は避けられず、このため空間分解能は著しく制限される。この大気ゆらぎ効果による空間分解能の劣化を位相シフト法を利用して克服するのを本研究の目的とした。 本研究は、大気ゆらぎによって生じるスペックル像と、可変形鏡などにより既知の位相シフトを与えた際に観測されるスペックル像を同時に測定し、一組のスペックル像と位相シフト量の情報を基に高空間分解能再生像を得るものである。ここで、位相シフトとしてデフォーカスなどの光学系に複雑さをほとんど要求しないものを導入すると、簡便なシステムで高空間分解能像が得られることになる。 我々は、位相シフト像再生法として逐次型像再生アルゴリズムを開発した。本研究で開発したアルゴリズムは、ブラインドデコンボリューションの技法と位相回復とを組み入れている。被観測天体として、2重星ディスク状物体および太陽のような撮像フレームからあふれる物体を想定し、像再生シミュレーション実験を行った。位相シフトには、単なるデフォーカスと可変形鏡による位相変調とを考えた。また、スペックル像には雑音を加えて実際的状況に近いようにした。2重星やディスク状物体の像再生は、ほぼ満足できる結果が得られることがわかった。撮像フレームからあふれるような物体に対しては、スペックル像にアポディゼーションフィルターを施すことによって、大気ゆらぎによる像劣化を改善できることを示した。 昨夏、京大飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡を使って、太陽の粒状斑の観測をデフォーカスによる位相シフト法で試みたが、シ-イングが悪く像再生までには至らなかった。地上からの太陽の高解像法として位相シフト法は非常に有望であり今後更なる研究が必要であろう。
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