研究課題/領域番号 |
05640309
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
沢 武文 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90111864)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | ダイナモ / 宇宙磁場 / 差動回転 / ローレンツ力 / 渦状腕 / 衝撃波 / 銀河磁場 / 渦状銀河 / 巻き込み |
研究概要 |
M51の電波の偏波面の分布の観測データから回転量度(RM)の分布を求め、M51の磁場形状を調べた。その結果、M51の磁場は、従来から指摘されている双対称渦状(BSS)磁場であることが確認された。この観測結果を、我々がこれまで求めてきた。銀河のダイナモによって維持されるBSS磁場形状によるモデルのRMの分布と比較した結果、M51の磁場形状はダイナモによって維持される磁場形状によく一致することが得られた。 次に、ダイナモによって維持されるBSS磁場が銀河に存在するとき、ガスの運動がどのように乱されるかを数値シミュレーションによって調べた。その結果、銀河の平均的な磁場の強さとガスの密度を与えると、BSS磁場のローレンツ力により、磁場のトロイダル成分の強い部分にガスの衝撃波が発生し、2本のガスの渦状腕を形成することがわかった。これは渦状腕の形成のメカニズムに磁場が重要な役割を果たしていることを示唆するものである。 これに対して、ダイナモによって維持されるBSS磁場は、軸対称磁場に比べ成長率が低いこと、BSS磁場はr方向に対してはごく狭い領域にしか存在できないことなどの反論もある。しかしこの議論はあくまで通常考えられているダイナモ(正のダイナモ)のみで議論している。 我々は、通常考えられている場合と逆センスに働くダイナモ(負のダイナモ)を考えることにより、成長率は低いものの、銀河全体にわたるBSS磁場の維持が可能であることを示した。成長率が低いBSS磁場が存在する理由としては、銀河形成時に宇宙磁場を巻き込み、銀河の初期の段階で一時的にBSS磁場が作られ、それを種磁場として現在までその形状を維持していると考えれば十分に説明がつく、このことから、銀河のBSS磁場はダイナモで維持されているという結論に達する。
|