研究課題/領域番号 |
05640311
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒河 宏企 京都大学, 理学部, 助教授 (80135508)
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研究分担者 |
船越 康宏 京都大学, 理学部, 助手 (80127133)
北井 礼三郎 京都大学, 理学部, 助手 (40169850)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 太陽活動 / 太陽面爆発 / 太陽フレア- / 太陽サージ / 浮上双極磁場領域 / 磁気シア- / 磁束管浮上 / 磁気リコネクション / 太陽 活動 / Hα単色像 / 太陽フレアー |
研究概要 |
本研究の課題は、太陽面爆発のエネルギー蓄積の貯蔵庫である磁気シア-構造が、どのような過程で形成されるのか?新浮上磁場領域(Emerging Flux Region:略してEFR)が磁気シア-形成とフレア-の引き金にどの様な役割を果たしているのか?を調べる事であった。その為に、太陽面爆発を起こす黒点領域の誕生から成長複合化過程を、詳細に観測して解析を行った。主として用いた望遠鏡は、京都大学理学部飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡である。この望遠鏡と宇宙研の太陽X線観測衛星“陽光"との協同観測も平成5年5月、8月、6年6月、8月の4回にわたって実施した。主な研究成果は次のとおりである。 (1)新双極磁場領域の浮上に伴って、強い磁気シア-構造が急速に発達する場合に、強いフレア-活動が発生することが判明した。この事実は、「フレア-やサージ等太陽面爆発のエネルギー源となる磁場構造の歪みは、太陽表面(光球)下の対流層で形成される磁束管の捻れの中にあらかじめ既に用意されており、これらが光球上に浮上する際に、磁気シア-を発達させる事」を示唆している。 (2)ドームレス太陽望遠鏡とようこう衛星軟X線望遠鏡との協同観測を行い、数個のEFRについて、それらの中の磁気ループ浮上とコロナループ増光との因果関係を調べる貴重なデータを得る事に成功した。中でも、6月11日0057UTのマイクロフレア-については、Hαアーチフィラメント(Arch Filament)ループの浮上と軟X線ループの増光とのはっきりした因果関係が初めて確認された。これによると、Hαループの浮上が見え始めてから約5分後に新しいコロナループの明るさが最大となった。しかしHαループと軟X線コロナループとは場所的に完全には一致せず、互いに約20度傾いていた。この結果は、Hαループが上昇する際にそのまま加熱されて、コロナループとなるのではなく、上層の既存磁場と再結合することによって、コロナループの増光が生じることを示唆するものである。 今後の課題としては(1)磁束管の捻れ構造及びそれに沿った電流を定量的に評価する方法を確立すること。(2)フレア-の引き金及びサージ放出の基本機構と考えられる微小双極磁場間の再結合過程を観測的に明らかにする事である。
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