研究概要 |
平成5年度の研究計画にρ,ω,φ,A,K,π,ηの入ったカイラルラグランジアンを求める、とあるが、この目的は私の研究室の早川雅司(DC)と連名で論文を書き、プログレスに発表して、果たすことができた。特に困難な点はSU(3)の対称性の破れをカイラルダイナミックスに導入するところであったが、この問題を詳細に議論した。 研究計画に述べなかったが、C,P,T,CPTなどの対称性をどのように実験的に検討するかを目的として、イタリアで現在φファクトリーを建設中である。これに関連して、早川雅司と私はφファクトリーで大量に創られるKメソンの崩壊でこのような対称性の破れを発見する可能性を検討した。この研究結果はPhysical Reviewに発表した。また、重いクォークの理論について栗本と北沢敬章(DC)が"Heavey Meson Effective Theory with 1/M Correction"をPhysics Lettersに発表した。 平成6年度の研究については、大統一理論とKM行列の関係の研究は現在進行中である。小林・益川行列を一般的な質量行列から求める研究に進歩が見えてきた。 平成7年度は、光・光散乱が中間子の磁気モメントに影響することに関して、低エネルギーのハドロン・ダイナミックスをカイラル対称性を導入して評価し、磁気モメントを計算した。結果は"Hadronic light-by-light scattering contribution to g-2"という題名でPhysical Review Lettersに発表した。
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