研究課題/領域番号 |
05640352
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
服部 敏彦 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90035684)
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研究分担者 |
林 俊夫 香川大学, 教育学部, 教授 (20035900)
若泉 誠一 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90033886)
日置 善郎 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90173129)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | B中間子 / 標準模型 / カイラリティ / 荷電共役空間反転対称性 / 右巻きゲージボゾン / 右巻き荷電流 / 重クオーク有効理論 / D中間子 / フレーバー・スピン対称性 / 右手カレント / カレントのカイラリティ / B中間子物理 / bクオーク物理 / CP対称性の破れ |
研究概要 |
本研究課題は、Bハドロンの崩壊におけるカイラリティ、荷電共役-空間反転結合(CP)対称性、およびフレーバ・スピン対称性を研究することであった。以下、順を追って研究成果を述べる。 1.bクオークからcクオークへの崩壊の荷電流のカイラリティは、標準模型では左巻きであるが、これはまだ実験的には確証されていない。このカイラリティを調べるために、Z^0ボゾンから崩壊して得られたBハドロンであるΛ_b粒子が約90%偏極していることを用いて、この粒子のΛ_O粒子を含むセミレプトニック崩壊によって出てくる電子の角分布が、bからcへのカイラリティが左巻きか右巻きかによって顕著に異なることを利用することが、可能であることを示した。 2.1に関連して、bからcへのカイラリティが右巻き、bからuへのそれが左巻きである模型をつくり、これが中性K中間子の崩壊におけるCP対称性の破れの実験値を与えるように模型のパラメータを調整した後、B中間子のノンレプトニック崩壊におけるCP非対称量を予言し、標準模型のそれと異なることを示した。 3.bクオークやcクオークを含むフレーバ・スピン対称性にもとづく重クオーク有効理論が、B中間子のセミレプトニック崩壊だけでなく、ノンレプトニック崩壊にも因子化仮説のもとでよく効いていることを我々は以前に示したが、それを更にD中間子の崩壊にも適用できるかどうかを調べた。結果は、擬スカラーであるK中間子を含む崩壊では実験量をよく説明するが、ベクトル粒子であるK^・中間子を含む崩壊では実験値に対して理論値が若干ずれることがわかった。これは、sクオークへの有効理論の適用が、必ずしもbやcクオークのようにうまくいかない面があることを示すのかもしれない。
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