研究概要 |
本研究は平成5年度から6年度まで超イオン導電体に於けるイオンと電子系のダイナミクスと相関について理論的研究を行った。本研究では超イオン導電体の低温相の構造と電子バンドの相関に注目した。特にA^NB^<8-N>8電子化合物に属し,典型的な超イオン導電性物質であるハロゲン銀及び銅化合物について以下の研究を行なった。 1.AgI,CuBr等の電子構造と誘電定数の相関を調べた。これらの化合物は価電子バンド帯に近い内殻d電子バンドを有しており,内殻d電子の役割が超イオン導電相の出現機構と関係があると考えられている。 2.A^NB^<8-N>化合物の有効電荷のイオン度依存性を理論的に導き,これらの化合物の構造変化と臨界イオン度の関係を調べた。4配位構造と6配位構造を分ける経験的に発見された臨界イオン度Fi=0.785の意味を理論的に求めた。 3.有効電荷とイオン度の関係からAgI,CuBr等のハロゲン銀及び銅化合物の構造不安定性とこれらの物質の非調和振動との関係を調べた。
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