研究課題/領域番号 |
05640381
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
横道 治男 富山県立大学, 工学部, 助手 (30212301)
|
研究分担者 |
高倉 秀行 富山県立大学, 工学部, 助教授 (30112022)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 電子スピン共鳴 / ポーラスシリコン / ダングリングボンド / 光生成欠陥 / 光劣化 |
研究概要 |
ポーラスシリコンにおける構造欠陥の同定を行うために、電子スピン共鳴(ESR)の測定を行った。発光と密接な関係にある構造欠陥の同定を行うことは発光機構を考察する上で重要である。その結果、ポーラスシリコンにおける主な構造欠陥は、<111>軸対称性を持ち、g値の異方性としてg_<1i>=2.0022、g_〓=2.0078を持つシリコンのダングリングボンド、すなわちPbセンター的なものであることがわかった。また、短時間の光照射により発光強度の著しい減少(光劣化)が観察されているが、これに対応して短時間の光照射の場合、主にPbセンター的欠陥が生成されていることがわかった。これらのことにより、発光の起因は量子的な閉じこめ効果によるものであることが示唆された。さらに、このような欠陥は、酸素の存在下では容易に生成されるが、窒素などの不活性ガス雰囲気中では生成されにくいことから、ポーラスシリコンにおける光照射による欠陥生成機構には、光化学酸化が関与していることが示唆された。一方、長時間の光照射を行うことにより、ESRスペクトルの波形に変化が観測される。これらのESRスペクトルを解析することにより、長時間の光照射を行った場合、角度によらない等方的成分の出現することが示された。この等方的成分のg値および線幅は、アモルファスシリコンにおけるダングリングボンドのそれらと似通っていることより、この成分の起因としてアモルファスシリコンのダングリングボンドが示唆された。この等方的欠陥の出現が、ポーラスシリコン中に元々存在したアモルファス層に起因したものか、結晶層が光照射により破壊されてアモルファス的になることに起因したものかについて考察することは、ポーラスシリコンの発光機構をさらに詳細に考察する上で重大な問題と考えられる。
|