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有機伝導体へのドーピング効果と金属-絶縁体転移

研究課題

研究課題/領域番号 05640406
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
研究機関東京大学

研究代表者

岩佐 義宏  東京大学, 工学部, 講師 (20184864)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードBEDT-TTF / TCNQ / 金属絶縁体転移 / モット絶縁体 / 反強磁性転移
研究概要

BEDT-TTF(ET)分子からなる二次元伝導層は,多くの有機超伝導体を与えることで有名である。本研究では,この伝導層のキャリア数を系統的に制御できる可能性を有する電荷移動錯体ET-TCNQを対象に金属絶縁体転移と絶縁体相の電子状態の解明を行い,以下の成果を得た。
1.温度-圧力平面での電子相図の作成(電気抵抗測定)
常圧で330Kに見られる金属絶縁体転移温度は12kbarの圧力を印加することにより約40Kまで降下した。しかしそれ以上の圧力を印加しても,転移温度は減少しなかった。電気抵抗の異方性が小さいため,伝導は主にET層によって担われている。すなわち,電子相図はET層に対応するものである。
2.絶縁体相がモット絶縁体であることを見いだした。
帯磁率,ESRの測定により,常圧での絶縁体相がモット絶縁体であることが明らかになった。TCNQ鎖はキュリー的な,また,ET層は温度依存性の弱い磁化率を示す。
3.TCNQ鎖の反強磁性秩序化の発見
T_c=3KでTCNQ一次元鎖が反強磁性に秩序化することを見いだした。従来,TCNQ鎖の低温基底状態はCDWやスピンパイエルス相などの非磁性相しか知られていなかった。TCNQの反強磁性転移の発見は本研究が初めてである。これは,二次元ET層を介した三次元的磁気的相互作用が比較的強いためと解釈されている。ET層の秩序化は明らかになっていないが,ESRの線幅がT〜35Kで急に広くなることから,この温度で反強磁性転移を示したと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Iwasa,N.Watanabe,T.Koda,G.Saito: "Two-step neutral-ionic transition in organic charge transfer compounds:possible staging effect." Physical Review. B47. 2920-2923 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Iwasa,K.Mizuhashi,T.Koda,Y.Tokura,G.Saito: "M-I transition and antimagnetic order in(BEDT-TTF)(TCNQ)" Physical Review. B49. (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 岩佐義宏: "分子システムによる電流スイッチ" 材料科学. 30. 179-185 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2020-05-15  

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