研究課題/領域番号 |
05640411
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 大阪大学 (1995) 京都大学 (1993-1994) |
研究代表者 |
川上 則雄 大阪大学, 工学部, 教授 (10169683)
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研究分担者 |
長岡 洋介 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (60022539)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 低次元電子系 / 厳密解 / 共形場理論 / 乱れの効果 / メゾスコピック系 |
研究概要 |
本研究は、1次元、2次元の電子系における電子相関の効果を理論的に調べ、低次元電子系での実験事実の説明を試みることを目的としている。特に、厳密解や共形場の理論などを用いて低次元電子系の理論的な解析を行った。本年度は、昨年度までのテーマを続ける一方で、いくつか関連する問題をとりあげた。研究成果は以下のとおりである。 (1)梯子型の相関電子系:酸化物Sr_<n-1>Cu_<n+1>O_<2n>で代表される梯子型の準1次元物質の異常金属相を解明するため、結合したハバード型の模型をボゾン化法を用いて研究した。 (2)不純物系の臨界現象:近藤効果の厳密解と境界を含む共形場理論を用いて、不純物系の臨界現象を系統的に調べた。境界問題に特有の臨界現象には、フェルミ流体を特徴づけるもの以外に、直交破局に関係したものがあることを見いだした。 (3)一次元電子系への多重バンドの効果:多重バンド構造を持つ超対称t-J模型の研究を厳密解と共形場理論を用いて行った。特に、多重バンドの効果によって、モット絶縁体付近の性質がどのように変わるか調べた。 (4)分数排他統計に従う低次元系の輸送係数:1次元電子系の低エネルギー励起の性質は、分数排他統計の考えを用いると系統的に定式化することができる。排他統計における統計相互作用と、伝導度、コンダクタンス、分数電荷との関係を明らかにした。 (5)量子細線におけるコンダクタンス揺らぎに、乱れの効果を理論に取り込んだ。特に乱れによる効果と磁場の効果を考慮し、電子状態の局在が進んだ場合、コンダクタンスの揺らぎは共鳴トンネル効果によって説明されることを示した。
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