研究課題/領域番号 |
05640426
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
児玉 隆夫 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047192)
|
研究分担者 |
中川 雅仁 姫路工業大学, 理学部, 助手 (10244683)
石川 修六 大阪市立大学, 理学部, 助手 (90184473)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 超流動転移 / ヘリウム3 / 粘性異常 / フェルミ液体 |
研究概要 |
本研究の目的は、液体ヘリウムの粘性係数を高精度に調べ、理論的に予想される絶対温度の逆2乗則に従うかどうかを検証することである。独自に開発したねじれ振り子という実験装置と本補助金で購入した測定装置により以下のことが明らかになった。 第一に、粘性係数は超流動転移点近傍で温度の逆2乗則からずれること。第二に、低温で顕著になるスリップの長さといわれる補正値は、圧力依存性を示すことである。 本研究以前の報告ではスリップの長さとして圧力に依存しない理論値を用い解析していたが、本研究ではこの長さを実験より同時にかつ独立に求めることができるため粘性係数の信頼性が向上した。スリップ理論の曖昧さを含まない本実験結果より粘性係数の異常は確かなものとなった。粘性係数の異常が超流動転移点近傍で起こることより、これが転移に伴うゆらぎに関係したものであると考えている。液体ヘリウム3の超流動転移に伴うゆらぎの効果は非常に小さいと考えられてきたため理論、実験両面からの研究実績は少ない。同じフェルミ粒子系である電子系のゆるぎは通常金属の薄膜という限られた状況でのみ超伝導転移点の近傍で観測されている。また高温超伝導物質の研究ではこのゆらぎが重要の因子であることが明らかになりつつある。現在、これらとの関係を考慮しながら理論的な解析を行っている。
|