研究課題/領域番号 |
05640434
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大野 かおる 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40185343)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高分子溶液 / 高分子ネットワーク / 星型高分子 / スケーリング理論 / モンテカルロシミュレーション / 枝分かれ高分子 / モンテカルロ・シミュレーション / ミセル / ABブロック・コポリマー / ラウス模型 |
研究概要 |
本研究で我々は最も単純な星型高分子の性質を既知として、希薄溶液中の任意の形状の高分子ネットワークの性質を予言するスケーリング理論を構築することを目標として研究を進めてきた。我々は繰り込み群などを用いた系統的な解析により、静的性質に関しては既にスケーリング理論の構築を完成した。平成5年夏にはドイツのマインツ大学に1ケ月滞在し、Kurt Binder教授との共同研究を行い、星型高分子のモンテカルロ・シミュレーションを行った。特に、幾つかの空間分布関数と空間分布の非球対称性(asphericity)さらにシェアに関する緩和時間の性質を調べた。排除体積効果を含むRouse模型を考え、クラマ-ス・ポテンシャルの方法により静的量を計算する手法を用いて緩和時間のような動的量を調べることが出来る可能性について調べた。特に、我々の開発したエンリッチメント法に基づくモンテカルロ法と、Binder教授のグループの開発したボンドクラクチュエーション模型に基づくモンテカルロ法の二つのシミュレーションを行い、クラマ-ス・ポテンシャルの方法で緩和時間を見積り、星型高分子の腕の数依存性に関するGrest等の理論的予想値と誤差の範囲で一致する結果を得た。クラマ-ス・ポテンシャルの方法によれば、任意のトポロジーを持つ高分子ネットワークのシェアに関する緩和時間に対するスケーリング理論を構築するための基盤が得られるが、さらなる考察が必要である。また、ABブロックコポリマーで、AがBに比べて十分長く、Bが互いに結合し易い条件下(溶媒がAに対して良、Bに対して貧)の場合には高分子ミセルが形成されるが、この系の統計力学が星型高分子希薄溶液の性質にどのように関係しているかを調べた。我々は、平成5年度および平成6年度の本科学研究費で購入した専用計算機上での簡単な高分子ネットワークのシミュレーションを行い、大型計算機用のアルゴリズムの開発を行ってきた。
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