研究課題/領域番号 |
05640447
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
宮川 賢治 福岡大学, 理学部, 教授 (30037296)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 超分子 / 非平衡 / 化学振動 / 非平衡要素系 / 相転移 |
研究概要 |
種々の活性因子を組み込むため条件を明らかにするために、界面活性剤を基本にした色々な超分子を作成し、その相転移現象をはじめ種々の熱力学的性質を調べた。更に、生体超分子に近い組成を持つ系の構築をを目指して、血管構成蛋白質の1つであるエラスチン由来のαエラスチンからなる超分子について調べた。水とαエラスチンからなる2元混合流体系の共存曲線とスピノ-ダル曲線を決定した。巨視的スケールのαエラスチン超分子への秩序化には、臨界濃度揺らぎが大きな役割を果たしているが結論された。これらの結果をもとにして、超分子にベル-ゾフ・ジャボチンスキー(BZ)反応を活性因子として組み込んだ。化学振動の引き込み現象について興味ある結果が観測されたが、外的環境に鋭敏な反面、安定性に欠けることがわかった。 BZ反応系を受容する能力を高める為に、粒径100〜500mm程度のシリカゲルや陽イオン交換樹脂などを用いた。粒子上に局在した化学波を顕微光学的に検出することにより、粒子を化学振動子として見なすことができることがわかった。まず、2つの結合振動子の性質を明らかにした。結果をまとめると、(1)同期振動数は速い振動子の固有振動数より更に大きくなる。(2)振動子の固有振動数の比に応じて、色々な同期振動数比を持つ結合状態が存在する。(3)安定結合状態の境界領域でカオス挙動が現われる このような非平衡要素系が、要素間の協力性と外的擾乱との競合によって、如何なる相転移を引き起こすかを調べた。フェロインの光応答性に着目して、振動子にレーザー光を一定時間照射した結果、次のようなことがわかった。(1)酸化還元反応リズムにカオス的な乱れを誘起できた。この乱れが実際カオスか否かは今後の課題である。(2)乱れに伴って強結合から無結合への転移が起きる。(3)この現象は振動子の初期位相に強く依存する。
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