研究課題/領域番号 |
05640452
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
桜井 彪 山梨大学, 工学部, 教授 (00092841)
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研究分担者 |
井上 行夫 山梨大学, 工学部, 助手 (80020494)
堀 裕和 山梨大学, 工学部, 助教授 (10165574)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エヴァネセント光 / 表面近傍Cs原子 / 光子波数ベクトル |
研究概要 |
Cs原子を封入した高真空プリズム付きセルを製作し、実験によりエヴァネセント光の特性を調べ、表面近傍ではCs原子の発光もエヴァネセントモードになることを確認した。以下研究成果をまとめると 1)周波数安定化半導体レーザーを用いて表面近傍のCs原子をクロスビーム法で分光し、ドップラーフリー信号に近い信号を得た。この結果より、エヴァネセント光の波数ベクトルの表面に垂直成分k_zは虚数であり、その侵入深さが波長以下であることを確認した。 2)半導体レーザーのエヴァネセント光を用いて表面近傍のCs原子の吸収実験を行い、Cs原子の熱運動によるドップラー幅が入射角とともに増加することを始めて確認した。これはエヴァネセント光の波数ベクトルの表面に平行成分k_xが入射光の波数ベクトルk_0より大きいことを示している。いいかえればCs原子が受け取るエヴァネセント光の光子の運動量はhk_0より大きくなるという興味ある現象を実証している。 3)光が誘電体から入射し、真空との境界面で全反射するときの臨界角をθ_cとする。もし表面近傍のCs原子が孤立していれば、そのCs原子の発光は必ずθ<θ_cのみに観測されるはずである。逆にCs原子の発光した光子が表面分極と相互作用し、エヴァネセントモードにあればθ>θ_cでも発光が観測されることになる。我々は実験的にCs原子の発光をθ>θ_cで始めて確認し、Cs原子の発光がエヴァネセントモードにあることを示した。しかも、スペクトルの拡がりや周波数シフトと思われる信号も観測した。 以上の結果はエヴァネセント光の性質を明らかにするとともに表面近傍原子と表面分極との相互作用が実験的に測定できたことを示している。
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