• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

閉殻粒子間相互作用における対称性効果

研究課題

研究課題/領域番号 05640454
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理学一般
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

北 重公  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60006153)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード原子衝突 / 非断熱遷移 / ポテンシャル交差 / 閉殻粒子 / 斥力ポテンシャル
研究概要

閉殻粒子間相互作用での非断熱遷移過程は、相互作用する系に強く依存し、同じ電子構造を持つ2つの粒子の組合せである擬似対称系(Na^+-Ne,K^+-Ar)で特に電子遷移の確率が大きいことがこれまでに見いだされている。この経験的事実を理解するため、本研究では閉殻粒子であるアルカリ・イオン(Li^+,Na^+,Cs^+)とAr原子との低エネルギー衝突に関する微分散乱実験を行った。この研究では散乱粒子の持つ運動エネルギーを飛行時間法で分析することにより二重微分断面積を測定した。本実験での衝突エネルギーは100〜1000eVである。測定結果は、半古典法により解析を行い非断熱遷移の機構に関する知見を得た。以下に結果を具体的に記述する。
〈1.Li^+-ArおよびNa^+-Ar衝突〉電子状態の大きく異なる2つの粒子からなるこれらの非対称系では、電子遷移の確率は非常に小さく、衝突エネルギーを高くした時にのみ非弾性散乱シグナルが観測される。しかも、観測される非弾性散乱シグナルは、これらの系で可能な電子遷移の中で反応エネルギーQの最も小さい(Q〜10eV)一電子過程の電荷交換反応によるものである。一般に、電子遷移は基底状態と励起状態のポテンシャルが交差することにより起こるとして理解されている。しかし、これらの非対称系の場合には、このようなモデルは妥当ではなく、ポテンシャルの交差は無いとして理解しなければならない。
〈2.Cs^+-Ar衝突〉この衝突系も電子状態の異なる2つの粒子からなる非対称系であるが、高いエネルギー・レベル(Q〜25eV)への二電子遷移により自動電離状態のCs^<**>(5p^56s^2 ^2P)が生成されるシグナルが大きな確率で観測される。この系では、一電子過程(Q〜12eV)の反応の断面積は小さい。この結果はポテンシャルが交差しているものとして理解できる。また、一電子励起の確率が小さい実験結果は、電子状態の対称性を考慮することによりよく理解できる。
以上のように、本研究課題での研究を通して電子励起過程の機構に関する多くの知見を得ることができた。しかし、ポテンシャルの交差の様子がこのように強く相互作用する系に依存する理由については今後さらに研究を進める必要がある。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shigetomo KITA: "Excitation and autoionization process in Cs^+-Ar collisions near threshold energy" Atomic Collision Research in Japan. 19. 46-48 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 北 重公: "東北大学で製作した飛行時間分析装置とその特性" 質量分析. 41. 211-223 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi