研究概要 |
1.生長率法による電荷移行反応断面積測定: 従来からの一個のMCP-PSDを用いた生長率法で,以下の各衝突系に対する電荷移行反応断面積を測定し、新しい多くの知見を得た。 (1)^3He^<2+>-H_2(0.25〜1.2keV) (2)H^+-H_2,CO,CO_2,CH_4(0.1〜4.0keV) (3)H^+,C^+-D_2(0.1〜4.5keV) (4)O^+-H_2,CO,CO_2,CH_4(0.2〜4.5keV) (5)C^+-C_2H_2,C_2H_4,C_2H_6,C_3H_4(アレン),C_3H_4(メチルアセチレン),C_3H_6,(CH_2)_3,C_3H_8(0.2〜4.5keV) 2.ビーム減衰法による電荷移行反応断面積測定: C^+-H_2,-CH_4に対しビーム減衰法で測定した値は,何れも生長率法で確立した我々の測定値より大きな値となり,やはり現状の装置でより低エネルギーの電荷移行反応断面積を,高精度に測定することには無理があるとの確信を得た。 3.八重極イオンビームガイド法による電荷移行反応断面積測定装置の製作: 入射及び反応粒子の発散防止用のOPIGを用いたビーム減衰法の為のガス衝突室系の製作を行った。複雑な装置となり製作に時間がかかったため,これを使用した極低エネルギー領域での断面積測定は実施できなかった。今後整備を推進し,0.1keV以下の電荷移行反応断面積を高精度に測定していく予定である。
|