研究概要 |
1.本研究の目的は、有限次元分子集合体やJ会合体の共鳴移動及び超輻射機構を、これまで考えられていなかった分子の内部自由度(振動)に由来する緩和ダイナミックス取り入れて、解明することであった。 2.基礎方程式の導出-微視的観点にたって緩和ダイナミックスを考慮するために密度行列法によるLiuoville方程式を解き,実験との対応をさせるために時間分解発光スペクトル表式を導いた。 3.うえで導出したスペクトル表式を用いて、緩和ダイナミックスを明らかにするために、2電子状態モデル内で時間分解発光スペクトルを評価した。このスペクトル評価及び解析は本補助金で購入のワークステーションを用いて効率よく行なうことができた。特に、極超短時間分解領域では,従来のForster型のインコヒーレントな共鳴移動機構ではなく、コヒーレントな共鳴移動機構が支配的であり、発光にうなりが生づることを見い出した。更に、分子内緩和によって、共鳴移動及び超輻射がどのように消失してゆくのか明らかにされた。うなりのふるまいを解析することで分子内緩和効果のおおきさが評価できる。 4.以上の結果を論文に発表すべく現在まとめている。最近のフェムト秒時間分解分光の発展はめざましく,本理論研究の結果が検証されることを期待している。
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