研究課題/領域番号 |
05640565
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺嶋 正秀 京都大学, 理学部, 助教授 (00188674)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 過渡回折格子法 / ラジカル / 拡散 / 溶液反応 / 配向緩和 |
研究概要 |
本研究の目的である反応中間体ラジカル類の配向緩和の解明を目標に以下の実験を行い種々の新しい知見を得た。 1、ラジカルの配向緩和現象には周りの溶媒との相互作用が大きく影響するため、まずナノ秒レーザーを用いてその相互作用の性質を明らかにすることを試みた。そのために並進拡散係数(D)に対する溶媒依存性や反応分子依存性、温度依存性の測定を行った。その結果、非ラジカル分子に比べラジカルのD値は2〜4倍も小さい値を取り、溶媒との相互作用が非常に大きいことがわかった。またその相互作用が、ラジカルを、予想される体積よりも50倍近くも大きくみせていることも明かとなった。こうした現象はこれまでに知られていない特異な発見であり、溶液中におけるラジカル類の運動に関しての一つの分野を開くものであった。 2、次に高速配向緩和を測定するため、当初の計画通りYAGレーザー励起の色素レーザーで200フェムト秒のパルスを作り、増幅機で10^7倍に増幅することに成功した。このパルスを3つに分け、その内の2つをUVに変換し、試料中で交差させることでトランジェントグレーティング信号を安定に検出できるまでに光学系を組み上げた。このシステムで、安定分子の超高速配向緩和時間が測定可能となり、いくつかの系に適用した。次の予定は他のピコ秒レーザーを用いてラジカルを生成させるところであり、現在懸命に取り組んでおり早い時期に測定可能となる予定である。上述したナノ秒での全く新しい結果や、新しいシステムの完成間近なところまでもってくることが出来たのはこの科学研究費のおかげである。
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