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シグマ結合を経由する電子移動と光化学反応

研究課題

研究課題/領域番号 05640594
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 有機化学
研究機関東京大学

研究代表者

務台 潔  東京大学, 教養学部, 教授 (80012326)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード電子移動 / 結合経由電子移動 / ラジカルイオン対 / 光化学反応
研究概要

シグマ結合を経由する分子内電子移動の可能性と効率を検討するため、A-(CH_2)_n-D型の構造を持った3種の同族列を合成した。Aは電子受容基でp-O_2NC_6H_4Oを採用し、Dは電子供与基でアニリノ(1)、m-あるいはp-Me_2NC_6H_4O(2あるいは3)である。また1の類似体としてシクロヘキサンの1位と4位にAとDを持ったシスおよびトランス2種の異性体(cis-4およびtrans-4)を合成した。電子移動の量子収率はアセトニトリル中で受容基をその吸収極大に近い313nmで励起し、生じたラジカルイオン対のスペクトル強度から相対値を求めた。。
1(n=2)の量子収率を1.0とするとcis-4とrans-4値は1.9と1.5であり、明らかにシグマ結合経由で効率よく電子移動が起こることがわかる。ちなみに4に相当する同族体1(n=4)の値は1.1で、この同族体ではベンゼン環同士の接触による空間経由の電子移動過程の確率が極めて小さいことから、この値のかなりの部分を結合経由電子移動が占めていると思われる。同族列2と3では、どちらもn=2>3>4>5>6という傾向を示した。2と3を比較すると、同じメチレン鎖の同族体同士では2<3の関係がみられ、メタ置換体よりもパラ置換体の方が受容体としてすぐれていることを示している。また3では3(n=2)の値が1.8と大きく、p-ジメチルアミノフェノキシル基はアニリノ基よりもすぐれた受容体であることも示している。
これらの結果を光反応の量子収率と関連して考察すると、1の転移反応ではn≧4で電子移動が反応の開始につながること、2と3の分子内酸化還元反応では電子移動は必ずしも反応には有利でないことが結論として得られた。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 務台潔 他2名: "Magnetic field effects on and mechanism of photoredox reaction of aromatic nitro group" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 920-926 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 務台潔 他2名: "Magnetic field effects upon photochemistry of bifunctional chain molecules" J.Phys.Org.Chem.6. 381-392 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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