研究課題/領域番号 |
05640610
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本 陽介 広島大学, 理学部, 助教授 (50158317)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ハイパーバレント有機ビスマス / 6配位ビスマス化合物 / 3配位ビスマス化合物 / X線解析 / 炭化水素脱離 / edge反転 |
研究概要 |
1)ヘキサフルオロクミルアルコールリガンドを有する6配位ビスマス化合物の合成と環化反応 5員環を有する5配位ビスマス化合物(1)にリチウム試剤(2)を反応させて、化合物(3)を合成した。得られた化合物3のX線構造解析による構造決定・NMRによる動的過程の追跡を行なった結果、固体状態および溶液状態ともに、図示した6配位構造をとっていることが明らかになった。また、6配位アルコール(4)は、室温で放置すると炭化水素脱離を伴う環化反応を起こすことがわかったので、べンゼン環のパラ位の置換基を変えた系を合成し、環化反応の選択性を調べた。その結果、炭化水素の脱離傾向は、p-MeOC6H4:p-CF3C6H4:p-CH3C6H4=3.5:2:1となり、強電子供与体と電子求引体が共に良い脱離基になるという興味深い結果が得られた。この結果は、以前我々が報告したアンチモンアート錯体のプロトン化反応における脱離傾向とよく対応しており、両反応とも6配位hypervalentアルコールを経由すると考えられる。 2)分子内配位子を有するビスマス(III)化合物の合成とビスマス原子上での立体反転機構の解明 5員環リガンドを有する3配位ビスマス化合物(5)を合成し、メトキシ基またはジメチルアミノ基を分子内配位子とするリチウム試剤と反応させて、10-Bi-4化合物(6)を得た。これらの化合物のビスマス原子上での立体反転エネルギーを、NMRにより追跡し、溶媒効果を調べた結果、反転が求核試剤の存在下で顕著に加速されることがわかった。このことは、反転がedge反転機構で進行していることを示唆している。
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