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溶媒和の立体効果に関する熱力学および構造化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640624
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関九州大学

研究代表者

石黒 慎一  九州大学, ・理学部, 教授 (80111673)

研究分担者 鈴木 炎  東京工業大学, 大学院総合理学工学研究科, 助手 (10216434)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード非水溶液 / 錯形成反応 / 立体効果 / 溶媒和構造
研究概要

本研究では、溶媒和における立体相互作用の有無が反応生にどの様な影響をもたらすのか、について熱力学と構造の両面からアプローチを行った。ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等の非プロトン性ドナー溶媒中で金属イオンは安定な溶媒和錯体として存在する。複雑な有機分子が複数、金属イオンを中心とする集合体を形成しているのが溶媒和錯体であり、配置している溶媒分子の振動・回転運動は著しい制約を受ける。さらにある種の溶媒では、配位分子間に特異な相互作用が働く。立体相互作用はその一つである。DMFおよびDMA、いずれの溶液中でも溶媒分子は酸素原子で配位しているが、酸素原子の配位能はほとんど違わない。しかし、その中での金属イオンとハロゲン化物イオンとの反応を熱力学的に比較すると、生成錯体の安定度、反応エンタルピー、エントロピーに大きな違いがあることが認められた。一連の三価ランタノイドイオンの場合、DMF中のくらべDMA中で金属-酸素原子間距離が短くなっており、結合が強化されていることが示された。一方、錯体の安定度は著しく増大し、金属-溶媒間結合は容易に切断できるものであるという一見相反する結果が得られた。この結果は、溶媒の分子構造の違いによる集合体形成時における立体効果を考えなければ説明できない。溶液中のランタノイドイオンの配位数を正確に決定することは現在の技術ではまだ難しいが、DMAの平均配位数は明らかに減少している。この事実は溶媒和錯体には二種類以上の構造体が共存し、それらの間に構造平衡が成立していることを示唆している。さらに溶媒和数の違いが非常に大きな反応性の違いを引き起こす、との結論を得た。溶媒和における構造平衡は溶液反応において普遍的に起こり得る基本的問題であり、これは今後さらに深く解明することが必要である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.lshiguro: "Spectrophotometric and Calorimetric Studies on Nickel(II)Choloro Complexes in Acetonitrile" Bull.Chem Soc.Jpn. 66. 83-88 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] S.lshiguro: "Solvation Structure of Divalent Transition-Meta lons in N,N-Dimethylformamide and N,N-Dimethylacetamide" J.Phys.Chem.97. 500-502 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] S.lshiguro: "Sterically Controlled Compleation of Manganese(II)and Cobalt(II)with Chloride lons in N,N-dimetylacetamide" J.Chem.Soc.Faraday Trans.89. 3055-3060 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2019-02-28  

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