研究課題/領域番号 |
05640636
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
今井 弘康 北陸大学, 薬学部, 講師 (60102761)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ホスト-ゲスト / ポルフィリン錯体 / 亜鉛錯体 / 分子認識 / 配位子間相互作用 |
研究概要 |
1.この研究は、金属錯体における非極性溶媒中での非極性配位子間相互作用ならびにこれを基にした分子認識を研究することを目的とした。 2.テトラフェニルポルフィリンの面上にスペーサーとしてフェニル基(ホスト1)またはナフチル基(ホスト2)を各々2個ずつ付加し、この2個をメチレン鎖で架橋することで適度に事前構築されたキャビティを持つポルフィリンを合成した。これに亜鉛(II)を導入し、目的のホスト錯体1および2を合成した。これらホスト錯体に対して軸配位子としての種々のアミン類の付加反応をクロロホルム中、可視吸収スペクトル変化から調べた。 3.以前我々は、修飾ポルフィリンホストのキャビティとゲストの間の弱い相互作用により、小さい一級アミンに比べてより嵩高い二級アミンの結合が安定化することを示した。今回も1や2に対し、嵩高い芳香族アミンの結合が5-10倍安定化することが判った。しかし、飽和二級アミンでは2-3倍の安定化にとどまった。この両者の差はスペーサーのpi系とアミン類のpi系(芳香族アミン)またはCH基(飽和アミン)との間のpi-piまたはCH-piの二種の相互作用の差であるとも考えられた。しかし、飽和アミンであるピロリジンに対し、これに一部pi系を導入したピロリンの結合を比べた場合、1,2共に両者のアミンの結合の安定化には差は見られなかった。従って、この弱い相互作用は、pi-piやCH-piの相互作用というよりむしろ、ロンドン分散力が主体であり、ホストとゲストの間の接触面積の大きさに依存すると結論した。このことは、1に比べてゲストにより大きい接触面積を提供する2の方がほとんどのゲストに対してより大きな安定化を示すことによって支持される。
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