研究概要 |
平成5年度は装置及び相分離器の改良を行い,ピリジルアゾナフトール(PAN)を抽出剤とすることにより鉄,ニッケル,コバルトの3成分分離の可能性を明らかにした.平成6年度はこれら3成分の最適分離条件の詳細を検討し,本法の特長である低抽出率化合物の回収条件を明らかにした.特に本法は平衡定数の差を利用するとともに錯形成速度の差を利用するところに他の抽出分離法には見られない利点を有している.この利点を最大限に発揮するためにテフロン相分離器を利用する連続抽出装置を開発した.これは高速撹拌下でおこなうもので,実験室内で利用できる完全回収を目的とした連続抽出装置としては最初のものである.この装置を使用し,アセチルアセトンを抽出剤とし,抽出性の低いバナジウム(V)の抽出を行い短時間でほぼ100%回収できることを明らかにした.
|