研究課題/領域番号 |
05640724
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
金井 龍二 埼玉大学, 理学部, 教授 (30008817)
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研究分担者 |
是枝 晋 埼玉大学, 理学部, 助手 (20234924)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | C_4植物 / C_3-C_4中間型植物 / C_4光合成 / 水陸両生植物 / カヤツリグサ科 / エレオカリス属 / 光呼吸 / カーボニック アンヒドラーゼ / 炭酸固定経路 |
研究概要 |
カヤツリグサ科の水陸両生植物Eleocharis viviparaでは水生型はC_3、陸生型はC_4光合成経路を持つと報告された(上野ら1988)。この研究発展のため、本研究ではE.viviparaと生化学的研究の少ないE.retroflexaを用い、水生の自然状態で付着繁殖する微細藻類の影響を排除し、環境条件を厳密に規定するためにin vitro植物生育システムを作り、光合成・光呼吸炭素代謝経路の酵素活性が環境条件によりどの様に変動するかを調べた。陸生→水生型移行に伴う光合成経路の酵素活性の変動を調べたところ、E.viviparaではPEPカルボキシラーゼ、NADマリックエンザイムなどC_4経路の酵素活性が減少するが、RuBPカルボキシラーゼ、NADPトリオースリン酸デヒドロゲナーゼなどカルビン回路の酵素活性は変動しないことが確認できた。しかし、E.re-troflexaでは陸生型のみならず水生型でもC_4経路の酵素活性が高いままであることが明らかになった。これに対し、グリコール酸オキシダーゼ、カタラーゼ、セリン-ヒドロキシメチルトランスフェラーゼ、ヒドロキシピルビン酸レダクターゼなど光呼吸経路の酵素活性は、両Eleocharis種共に、水生型でも陸生型と同程度の低い活性のままであった。したがって、E.retroflexaは水生でもC_4経路を保持しているが、E.viviparaの水生型は通常の陸生C_3植物とは異なり、光呼吸の少ない水生C_3植物(SAM)に似た特徴を持つと思われる。なお、水生植物のCO_2利用に関係するカーボニック・アンヒドラーゼ活性の変動を詳細に検討したが、両植物種の水生/陸生型で大きな差は認められなかった。さらに、陸生型E.viviparaを1%高CO_2下で生育させたところ、空気中生育の陸生型に比べ、C_4光合成経路の酵素活性が低下する傾向が見られたので、カタラーゼなど光呼吸経路の酵素活性やカーボニック・アンヒドラーゼの活性変動について、目下継続して検討中である。
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