• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ウミユリの運動と姿勢維持

研究課題

研究課題/領域番号 05640762
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 動物生理・代謝
研究機関東京工業大学

研究代表者

本川 達雄  東京工業大学, 理学部, 教授 (80092352)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードウミユリ / 非筋肉運動系 / キャッチ結合組織
研究概要

ウミユリ(トリノアシ)の水槽内での行動を、ビデオで記録し、解析した。ウミユリは流れのある場所をもとめて移動した。移動運動は、腕により水槽の床を這う運動と、水槽内に垂直に立てられた格子を登る運動とがあった。這う場合には、進行方向の腕は反口側に曲がって体を引っ張り、進行方向と反対側の腕は、口側に曲がって体を押した。登る際には、腕の反口側に曲がる運動により、体が引き上げられていった。
ウミユリの腕は、円盤状の骨片が関節を介して一列につながってできている。関節部の組織学的および微細形態学的研究を行った。骨片の関節面の中央部に支点となる骨の凸部があり、その口側にのみ筋肉が見られた。反口側には、2種の靭帯が見られた。fossa ligament(FL)とわれわれが名付けたもの(これは今までの文献には見あたらず、新発見である)とaboral ligament(AL)である。FLは骨片のくぼみに納まっており、コラーゲン繊維が非常に密に接近して並んで、コラーゲン以外の要素はまれである。これは関節の脱臼防止の働きがあると解釈した。ALにはコラーゲン繊維の他に、微細繊維やjuxtaligamental cell様の細胞が見られた。微細形態の上からは、他のキャッチ結合組織とよく似ていた。微細繊維をpolyethyleneimineで染色すると縞模様が見え、このバンドの幅が靭帯を引き伸ばすと変化した。微細繊維が弾性的な性質をもつ可能性がある。
ALの力学試験を行ったところ、ALは弾性的な性質を示した。弾性率は試料により、大きなばらつきを示し、高いものと低いものの二つの山が見られた。これは力学的性質が変化すること(キャッチ結合組織であること)を示唆する。以上の結果から、ウミユリの腕の運動は、口側の筋肉による口側への曲げと、バネのようなALによる反口側への曲げによって起こり、腕の姿勢維持には、靭帯のキャッチ結合組織としての性質が関与していると結論した。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Birenheide,Ruediger: "Arm and stalk movements of the crinoid Metacrinus rotundus." Zoological Science.10. 171 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Birenheide,Ruediger: "Functional morphology of an elastic ligament in the arm of the stalked crinoid Metacrinus rotundus." 10. 171 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Birenheide,Ruediger: "Proceedings of 8th International Echinoderm Conference" BalKema, 2 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi